ライフデザイン

ライフデザイン支援に取り組む方へ

ライフデザイン支援取組事例の紹介[2]
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「赤ちゃん先生プロジェクトがもたらすもの」

こちらの写真は、ある大学の医学部で、これから保健師なる学生の授業で「赤ちゃん先生プロジェクト」を開催した時の様子です。学生は卒業後、すぐに保健センターなどに行って、健診などで実際にお母さんや子どもにふれあう機会があるそうです。自分では子どもを育てたことがない、だけれども、お母さんたちのフォローをしなければいけない。学生はそういった事にたくさんの不安があるそうですが、子どもを初めて産んで連れていくお母さんも、保健士さんに何を言われるか不安なのです。そういう話を直にできる機会として、お母さんも自分の経験を話すことによって生徒さんの役に立てる。学生も直にお母さんたちの意見が聞けて「なるほどそうだったのか」と少し不安を解消できる。そんな活動になっています。

作業療法士を目指す学生の授業でも、「赤ちゃん先生プロジェクト」を実施しています。障害を持ったお子さんの相談を受けるにあたって、まずは健常児のお子さんの様子をみたり、お母さんたちがどのようなことに対して不安を抱えるのかといったことなどを聞く機会として、とても重要な機会になったとのことです。これは作業療法士になるための授業の一環として、「就職したときに役立つために」ということでもありますが、生徒さん一人ひとりが、今後結婚などを視野に入れたときに、自分はどうしたいか、ということを考えるきっかけにもなると思います。

ママ講師のことについて、お話しします。「赤ちゃん先生プロジェクト」に参加するためには、養成講座を受ける必要があります。この講座を修了したお母さんのことを、「ママ講師」と呼びます。ママ講師になるメリットは、「子育て中であることが利点になる」「子どもを産むことにより貴重な体験ができる」ということです。さらに、子どもに対する愛情も深まって、「こんなにいいことができるのだったら、楽しいのだったら、また子どもを産んでみたいな」と思っていただいて、少子化解消に向けた意識の変化があります。小学校で「赤ちゃん先生プロジェクト」を開催するときなど、ママ講師自身が事前準備から携わって、子どもたちにどのように教えていったらいいかなぁなんて考えています。他にも、妊娠中のママさんがおなかを触らせてあげたり、妊娠していても上のお子さんを育てていかなくてはいけない大変さとか、日常のお話もして、まさに育児中がメリットになる活動です。

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