ライフデザイン

ライフデザイン支援に取り組む方へ

ライフデザイン支援取組事例の紹介[3]
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「妊娠・病気の『知識と意識』」

妊娠の仕組みとか、命の重要性というお話をして、もう少し具体的なお話をさせていただくのが後半です。皆さんライフプランを考えていますか?仕事やキャリアをどう考えていますか?高校生にそう問いかけます。そうすると、この年に妊娠したいとか、大体のプランを立ててくれます。その上で、じゃあそのときに本当に妊娠できるのかな、という話をします。先ほどお話ししたように、誰でも妊娠できるわけではないのが現状です。佐藤病院における分娩時の年齢を比較すると、平成10年と平成22年では、この12年で出産平均年齢が2歳くらい上がっているんですね。平成22年の話なので、今はもう少し年齢が上がっていると思います。

数年前の新聞報道ですが、赤ちゃんは細る一方という記事が一面に出ました。お腹の赤ちゃんが小さく産まれることについて、多分、私たちの世代では「小さく産んで、大きく育てろ」という風に言われていたかと思いますが、今はそうでもないです。小さく産まれるとどういうことが起こるかというと、成人病胎児期発祥説といって世界的には大分スタンダードになってきた学説があります。お腹の赤ちゃんが小さいということは、お母さんがやせの方が多く、やせは低栄養ということですので、お腹の赤ちゃんは飢餓状態にあります。そうすると、倹約遺伝子が働いて、自分で栄養が摂れるようになったときにどんどん自分に栄養を溜め込むので、太っていってしまう、生活習慣病を起こすというようなことが分かってきています。
体重2,500g以下の赤ちゃんを低出生体重児と呼んでいますけれども、正常の体重で産むことの大切さが、今世界中で言われています。そのためには、お母さんはちゃんと食事を取ることが大切です。NPO法人DNAさんと一緒に授業をやるときは、必ず大学生のお兄さんに今日何食べてきた?ということを聞いているんですね。そうすると、大体お菓子っていう悪い見本になっているんですけれども(笑)。栄養の話をさせていただいた後は、お食事が変わってくるよという例も挙げています。

それからNPO法人ラサーナで力を入れている子宮頸癌予防啓発として、子宮頸癌についてお話をします。大学生には必ず話しています。高校生は、ちょうどワクチンを打つ世代ですので、受けたワクチンの説明と、子宮頸癌はこういうものだというお話をします。子宮頸癌の予防啓発でやっている高崎市美スタイルマラソンですが、今年は10月9日にやります。どうして子宮頸癌の予防啓発をしているのかというと、子宮頸癌が進行してしまうと、子宮を取ってしまわないとだめなんですね。子宮がなければ赤ちゃんを産めません。
子宮頸癌は、若い女性に非常に増えているんですね。原因は性交渉で、ヒトパピローマウィルスに感染することによるものです。遺伝ではなくて、ウィルスです。子宮頸癌がウィルスで感染するということ自体も知らない人が多いです。性交渉で感染しますので、じゃあどうしたらいいのかということを私たちが伝えなければならない、産婦人科として伝えなければならないという思いから、NPOを作って活動しています。ただ、NPOで開催した市民公開講座やセミナーなどには検診とか受けているような健康リテラシーが高いちょっと高齢のおばさまたちがたくさん来てくれるんですが、そういう方は既に検診を受けているので、私たちが改めて話す必要はないんです。若くて、検診を受けていないような女性に伝えなければならない、ということで、6年前に子宮頸癌予防啓発というコンセプトを付けて、高崎美スタイルマラソンという女子マラソンを始めました。
去年から高崎市と共催になりまして、街中を走っているんですけれど、性交渉で感染するものなので、男性にも知ってもらわないといけないし、パートナーが「検診受けた?」と呼びかけることで、女性の検診率も上がればと考えています。そのため、男性の参加を意識した内容に少しずつ変えています。著名な格闘家の方をお呼びしてプレイベントを開催したり、マラソンの当日も今回は有名なタレントの方をゲストとして招き、ステージでトークショーをさせていただいて健康について皆さんと一緒に考えられるような時間を作ることを予定しています。

あとは、対象次第ではありますが、高校生ですと性感染症が少し心配になりますので、避妊具を正しく使おうよとか、こういう症状があったら必ず受診するんだよとか、そういう話をします。また、性病の感染経路について、元カレの元カノ、元カレの元カノの元カレ、みたいな感じで、どんどん性感染症って感染していくんだよというようなお話をさせていただいています。他にも、女の子はやっぱりキレイでいたいという思いがありますので、美しい体を作るため、という切り口で、健康のお話とかをさせていただいています。

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